機材&プラグイン › マイク

Shure SM7B レビュー|ラップ録りの定番マイクと「ゲイン不足問題」の解決法

2026年7月20日
本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。
Shure SM7B
Cardioid Dynamic Vocal Microphone

ラップやヒップホップのボーカル録り、そして配信・ポッドキャストの世界で「定番」の座に居座り続けているマイクがあります。Shureのダイナミックマイク「SM7B」です。海外のType Beat系アーティストやプロのラッパーのレコーディング風景で、あの黒くて太いボディを目にしたことがある人は多いはず。前身のSM7がマイケル・ジャクソン『スリラー』のボーカル録音に使われた逸話でも知られる、いわば「ラップ録りマイクの王者」です。

ただしこのマイク、何も知らずにオーディオインターフェースへ直挿しすると「音が小さすぎる」問題(ゲイン不足)に高確率でぶつかります。本記事では、Beat Lab編集部が2026年7月20日時点でShure公式サイト(shure.com)の情報を確認し、SM7Bの実力と、購入前に必ず知っておくべきゲイン問題の解決法、周辺機材込みの総額までを整理します。

Shure SM7Bってどんなマイク?

SM7Bは、Shure公式で「カーディオイド・ダイナミック・ボーカルマイクロホン」と説明される単一指向性のダイナミックマイクです。もともとは放送局のスタジオ用に生まれた系譜で、フラットかつワイドな周波数特性(50Hz〜20kHz)により、声を滑らかで温かみのあるトーンで捉えるのが持ち味とされています。

特徴的なのは、宅録で問題になりやすい要素への対策が最初から本体に組み込まれている点です。エア・サスペンション式のショックアイソレーター(振動対策)とポップフィルター(吹かれ対策)を内蔵し、さらに近接用の大型ウィンドスクリーン「A7WS」も付属。PCモニターなどから生じる電磁ハムノイズを遮断するシールドも備えます。マイクスタンドへの取り付けヨークも一体型なので、別途ショックマウントやポップガードを買い足さなくても運用を始められます。

2026年7月時点でもShure公式サイトに「ベストセラー」として掲載されている現行モデルで、発売から長い年月を経てもなお指名買いされ続けている、数少ないマイクの一つです。

SM7Bがラップ録り・配信で選ばれる4つの理由

① ダイナミック型だから「部屋」を選ばない

SM7Bが宅録ラッパーに支持される最大の理由がこれです。感度の高いコンデンサーマイクは、防音していない部屋だと部屋鳴り(反響)やエアコン・PCファン・外の車の音まで拾ってしまいます。感度が低いダイナミック型のSM7Bは口元の声を中心に収音し、環境ノイズや部屋の反響が録り音に乗りにくいため、「普通のワンルーム」でもボーカルブースなしで実用的なラップ録りがしやすいのです。

② 至近距離で録っても破綻しにくい

ラップの録音はマイクに近づいて録るのが基本ですが、SM7Bは内蔵ポップフィルター+付属ウィンドスクリーンにより、破裂音(パ行・バ行)の吹かれや呼吸ノイズに強い設計です。大音量の音源でも歪みを低減する設計とされており、声を張るスタイルからささやき系まで、口元数cmの近接運用を前提に作られています。

③ ローカット/プレゼンスブーストのスイッチ搭載

本体背面のスイッチで、低域ロールオフ(近接効果でこもった低音の整理)と中高域のプレゼンスブースト(声の抜けを前に出す)を切り替えられます。録りの段階で声の輪郭を作れるため、ミックス前の素材の時点でオケに馴染ませやすくなります。

④ 配信・ポッドキャストにもそのまま流用できる

環境ノイズに強く、見た目の存在感もあるSM7Bは、海外では配信者・ポッドキャスターの定番機としても定着しています。ラップ録り用に導入すれば、ビートメイクの作業配信やYouTube解説などにも1本で使い回せます。

Shure SM7B(ダイナミックマイク)
Shure SM7B(カーディオイド・ダイナミックマイク)
ラップ録り・配信の定番。実売5万円前後(※2026年7月確認)
Amazonで価格を見る
楽天で探す →
Thomannで見る →
※価格は2026年7月20日時点の調査に基づきます。最新価格は販売ページでご確認ください。

購入前に必ず知るべき「ゲイン不足問題」

SM7B最大の注意点がここです。SM7Bは出力レベル(感度)が-59dBV/Paと低く、Shure公式サポートは通常の話し声で十分な録音レベルを得るには約+60dBのクリーンなゲインを持つマイクプリアンプを推奨しています。ところが、エントリー価格帯のオーディオインターフェースにはゲインが50dB台の機種も多く、直挿しすると「ゲインを最大にしても音が小さい」「上げきるとノイズが目立つ」という状態になりがちです。

解決ルートは大きく3つあります。

また現在は、SM7Bに+18dB/+28dB切替のアクティブプリアンプを内蔵した派生モデル「SM7dB」もShureから出ています(プリアンプはバイパス可)。機材を増やしたくない人はこちらを選ぶ手もありますが、実売はSM7Bより高めです。

セットアップ早見表:あなたの環境にブースターは必要?

いまの環境追加機材接続構成
ゲイン60dB以上のインターフェース
(例: Scarlett第4世代 69dB)
不要SM7B → インターフェース → PC
ゲイン50dB台のインターフェース
(エントリー機・旧世代に多い)
インラインブースター
(+25dB前後)
SM7B → ブースター(+48V ON) → インターフェース → PC
チャンネルストリップ所有
(dbx 286s等)
不要SM7B → 286s(マイク入力) → インターフェースのライン入力 → PC
機材をこれ以上増やしたくない不要プリアンプ内蔵版「SM7dB」を選ぶ(+18/+28dB内蔵)

※必要ゲイン+60dBはShure公式サポート(service.shure.com)の案内、各機器のゲイン値はメーカー公表値を2026年7月20日に確認したものです。引用・シェア歓迎です(出典リンクをお願いします)。

スペックと価格(2026年7月20日時点)

項目Shure SM7B
型式ダイナミック型(ムービングコイル)
指向性カーディオイド(単一指向性)
周波数特性50Hz〜20kHz(フラット&ワイドレンジ)
感度-59dBV/Pa(低感度。プリアンプに約+60dBのゲイン推奨)
スイッチ低域ロールオフ/中域プレゼンスブースト(カバープレート付属)
内蔵機構エア・サスペンション式ショックアイソレーター、ポップフィルター、電磁ハムノイズシールド、一体型ヨークマウント
付属品着脱式ウィンドスクリーン、A7WS大型ウィンドスクリーン、スイッチカバープレート
接続XLR(ファンタム電源不要)
重量約765g(頑丈な金属ボディ。アームは耐荷重に注意)
実勢価格約48,000〜52,000円(2026年7月20日時点の国内実売)

※スペックはShure公式サイト(shure.com)掲載情報を2026年7月20日に確認したものです。実勢価格は同日時点の国内販売店(Shure公式楽天ストア・サウンドハウス等)の調査に基づく目安で、変動します。

結局いくらかかる?周辺機材込みの総額

SM7Bは「マイク単体では完結しない」機材です。ゼロから揃える場合の総額の目安を整理します(2026年7月20日時点の実売目安)。

機材目安備考
SM7B本体約48,000〜52,000円ショックマウント・ポップガード相当は内蔵
オーディオインターフェース約20,000〜30,000円ゲイン60dB以上の機種が理想
マイクアーム/スタンド約5,000〜15,000円重量約765gに耐えるしっかりした物を
XLRケーブル約2,000〜3,000円-
(必要な場合)ブースター約10,000〜20,000円インターフェースのゲインが50dB台の場合
合計目安約7.5万〜12万円インターフェース所有済みなら約5.5万〜7万円

AT2020(コンデンサー)とどっちを買うべき?

「初めてのボーカルマイク」でSM7Bと比較されがちなのが、実売1万円台前半の定番コンデンサーマイク、audio-technica AT2020です。性格はほぼ正反対なので、環境と予算で選ぶのが正解です。また、同じダイナミック型で予算を抑えるなら、実売1万円台のライブ定番SM58から始めてSM7Bへステップアップする路線も王道です。

項目Shure SM7Baudio-technica AT2020
方式ダイナミック型(低感度)コンデンサー型(高感度)
部屋鳴り・環境ノイズ拾いにくい。未処理の部屋に強い拾いやすい。静かな環境・吸音が前提
ファンタム電源不要(ブースター使用時のみ+48V)必要(+48V)
必要ゲイン高い(約+60dB目安)一般的なインターフェースで十分
付属・内蔵ショックアイソレーター/ポップフィルター内蔵ポップガード・ショックマウントは別途推奨
実勢価格約48,000〜52,000円約12,000〜14,000円
向いている人普通の部屋でラップ・配信を本格的に静かな環境で低予算スタート

※実勢価格は2026年7月20日時点の国内販売店調査に基づく目安です。

こんな人におすすめ / 合わない人

おすすめできる人

合わないかもしれない人

よくある質問

Q1. SM7Bにファンタム電源(+48V)は必要?

A. SM7B本体はダイナミック型のため不要です。ただしCloudlifter等のインラインブースターを挟む場合は、ブースターの動作用に+48Vをオンにします。

Q2. 一般的なインターフェース直挿しで音量は足りる?

A. 目安は「クリーンなゲイン約+60dB」を確保できるかどうかです(Shure公式サポートの案内)。Scarlett第4世代(69dB・メーカー公表値)のような近年の高ゲイン機なら直挿しでも実用圏内、ゲイン50dB台のプリではブースター併用が定番です。上のセットアップ早見表で確認してください。

Q3. SM7BとSM7dBの違いは?

A. SM7dBは+18dB/+28dBを選べるアクティブプリアンプを内蔵した派生モデルです(バイパス可)。ゲイン問題をマイク側で解決できる代わりに実売は高めで、動作に+48Vが必要です。手持ちの環境で+60dBを確保できるなら、標準のSM7Bで十分です。

Q4. ラップを録るならコンデンサーマイクよりSM7Bのほうがいい?

A. 未処理の部屋なら、部屋鳴りやノイズを拾いにくいSM7Bのほうが扱いやすい傾向です。静かな録音環境があり予算を抑えたいならAT2020などのコンデンサー型も十分選択肢になります。

まとめ

Shure SM7Bは、「普通の部屋でも録れる」というダイナミック型の強みと、放送品質の滑らかなサウンドを兼ね備えた、ラップ録り・配信の定番マイクです。唯一のハードルであるゲイン不足問題も、高ゲインのインターフェースかブースター、あるいはdbx 286sのようなチャンネルストリップを組み合わせれば確実に解決できます。録った声は楽曲だけでなく、プロデューサータグ(Voice Tag)の自作にもそのまま活かせます。ビートも録りも自分の音で固めていきましょう。

Shure SM7B(ダイナミックマイク)
Shure SM7B(カーディオイド・ダイナミックマイク)
部屋を選ばないラップ録りの王者。実売5万円前後(※2026年7月確認)
Amazonで最新価格をチェックする
楽天で探す →
Thomannで見る →
※価格は2026年7月20日時点の調査に基づきます。最新価格は販売ページでご確認ください。
本記事はアフィリエイト広告を含みます。価格・仕様は執筆時点(2026年7月20日)に編集部がShure公式サイト(shure.com)等で確認した情報です。実勢価格は変動します。最新の情報は公式サイト・各販売ページをご確認ください。Amazonのアソシエイトとして、Beat Lab は適格販売により収入を得ています。