「Metro Boomin want some more」「Mustard on the beat, ho!」——曲の冒頭で聞こえるあの一言が、プロデューサータグ(Voice Tag)です。ビート販売の世界では、タグは単なる演出ではありません。無断使用を防ぐための透かしであり、自分の名前を覚えてもらうためのブランディング要素でもあります。
お金をかけずに作る3つの方法から、音声処理、配置の考え方、BeatStarsへのアップロード仕様まで順に見ていきます。作成したタグをビートに付ける作業は、当サイトのプロデューサータグ付与ツールを使えばブラウザだけで完結します。
プロデューサータグは、試聴用のビートに重ねる短い音声(多くは1〜3秒)です。役割は大きく3つあります。
重要なのは、タグを入れるのは試聴用(プレビュー)音源だけという点です。購入者に納品するWAV/MP3/Stemsにはタグを入れません。ライセンスと納品ファイルの関係については、BeatStarsライセンス完全ガイドで詳しく解説しています。
タグの音声そのものは、次の3つの方法で用意できます。
| 方法 | 費用 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ① 自分の声を録る | 無料 | 権利関係を一番シンプルにしたい人・個性を出したい人 |
| ② TTS(AI音声)で作る | 無料〜 | 自分の声を使いたくない人・すぐ欲しい人 |
| ③ Fiverr等で外注する | 5ドル前後〜 | ネイティブ発音のプロ品質が欲しい人 |
スマホのボイスメモやDAW+手持ちのマイクで十分です。権利が100%自分にあり、他のプロデューサーと絶対に被らないのが最大の強みです。録るときのポイントは次のとおりです。
「自分の声はちょっと…」という人はAI音声が便利です。代表的な選択肢を挙げます。
TTSで作る場合の注意はただ1つ、利用規約(商用利用の可否とクレジット条件)を必ず確認することです。規約はプラン改定で変わるため、使う直前に公式サイトで最新の条件をチェックしてください。
英語ネイティブの発音でプロっぽく仕上げたいなら、Fiverrの「Producer Tags / DJ Drops」カテゴリで外注できます。2026年7月時点では5〜25ドル前後のギグ(出品)が多く、24時間以内納品に対応するものもあります。発注時は次を伝えるとスムーズです。
外注先の例:Fiverr「Producer Tags」カテゴリ。エフェクト処理は自分でやり直せるように、未加工(ドライ)の音声データも必ずもらいましょう。
録っただけの声は、ビートに重ねると意外と浮きます。DAWや波形編集ソフトで次の順番で処理すると、一気に「聞いたことのある質感」になります。
仕上げの音量はビートより少し小さめが基本です。タグが大き過ぎると試聴の邪魔になり、小さ過ぎると透かしの意味がなくなります。書き出し後にBeat Lab:ダイナミクス診断で全体の音量バランスを確認しておくと安心です。声のピッチ変更やロボット声づくりに使えるプラグインはSoundtoysレビュー(Little AlterBoy)もどうぞ。
タグの配置には世界共通の「定番」があります。
「防犯重視ならタグ多め・ブランディング重視なら少なめ」という調整はありますが、迷ったら頭1回+25秒間隔から始めれば間違いありません。
作ったタグ付き音源は、BeatStarsではTagged Preview(試聴用)としてアップロードします。2026年7月時点の公式仕様のポイントは次のとおりです。
つまりBeatStars側でも自分のタグを自動適用できますが、タグを入れる位置や間隔まで自分でコントロールしたい場合は、タグ入りプレビューを自作するのが確実です。毎回DAWでタグを並べて書き出すのが面倒なら、プロデューサータグ付与ツールでタグ入りMP3を作り、そのままTagged mp3枠へアップロードするのが最短ルートです。ライセンスと納品ファイルの詳しい関係はBeatStarsライセンス完全ガイドで解説しています。
事故防止のため、書き出しファイルの命名規則を決めておきましょう。例えば「BeatName_92BPM_Amin_TAGGED.mp3」「BeatName_92BPM_Amin_CLEAN.wav」のように、タグの有無をファイル名に必ず入れます。タグ付き音源を誤って納品用にアップロードする(またはその逆)のが、この分野でいちばん多いミスです。BPMやキーが不明ならBPM・キー検出ツールで確認してからファイル名に入れると、後の管理が楽になります。
A. 義務ではありませんが、試聴用音源には入れるのが強く推奨されます。タグのない試聴音源は、購入前の音源をそのまま楽曲に使われる無断使用のリスクが高くなります。なおBeatStarsでは、タグ付きMP3のアップロードは任意で、用意しなかった場合はタグなし音源にシステムが自動でタグを付けて試聴用にします。
A. サービスの利用規約によります。例えばElevenLabsの無料プランは非商用利用に限られクレジット表記が必要で、商用利用には有料プランが必要です(2026年7月時点)。日本語のVOICEVOXは無料で商用利用できますが「VOICEVOX:キャラクター名」等のクレジット表記とキャラクターごとの規約確認が必要です。使用前に必ず各サービスの最新の規約を確認してください。
A. 定番は「曲頭に1回+その後20〜30秒ごとに繰り返し」です。冒頭のタグでプロデューサー名を印象付け、繰り返しのタグで切り取り使用を防ぎます。音量はビートより少し小さめにして、試聴の邪魔になり過ぎないバランスにするのがコツです。
A. 入れません。タグを入れるのは試聴用(プレビュー)音源だけです。BeatStarsでは購入者にはタグなしのWAV/MP3(ライセンスによってはStems)が納品されます。タグなし音源とタグ付き音源は必ず別ファイルで管理しましょう。
プロデューサータグ作りの要点をまとめます。
タグ音声さえ用意できれば、あとはプロデューサータグ付与ツールに入れるだけです。無断使用を防ぐ透かしと、名前を覚えてもらう手段を、同時に手に入れられます。ビート制作そのものをさらに深めたい方は、Boom Bapビートの作り方も参考にしてください。