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今週の注目ヒップホップニュース一気読み(2026年9月18日号)

Drake

写真: GabboT / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

前号(9/15)で「今夜プレミア」とお伝えしたDrakeの「FOMO」は、フタを開ければ約1時間の映像作品でした。金曜の新譜も濃く、ヒップホップの大先輩RakimがKuruptとMasta Killaを従えた一枚で、EminemとJay-Zが約25年ぶりに同じ曲へ登場。西海岸ではAZ Chikeが地元の期待を背負った新作を出し、ニューオーリンズの二大レーベルは合同ツアーで各地を回っています。悲しい続報として、6月に亡くなったプロデューサーTay Keithの死因も明らかになりました。今週の動きを、編集部の基準(報道の広がり・数字の裏付け・規模・今週性)で注目度の高いものから10本お届けします。

🎤 今週のヒップホップ関連ニュース

Drakeの「FOMO」は約1時間の"短編映画" 一度は非公開、9/17に再公開

Drake

写真: GabboT / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

前号で予告どおり、Drakeの「FOMO(Fear of Missing Out=乗り遅れる不安)」が9月15日夜(米東部時間21時)にプレミア公開されました。本人が「そこまで短くない短編映画」と呼んでいたとおり、実際は約57分の映像作品。ひと夏をとことん楽しみ尽くす、という筋立てで、既発の「HABIBTI」「MAID OF HONOUR」のミュージックビデオに、未発表曲や派手な自慢、有名人のカメオ、脱線気味の小ネタを詰め込んだ内容でした。制作費は自腹で賄ったと報じられています。

おもしろいのはその後の動きです。プレミア直後にDrakeが動画を一時非公開にしてしまい、見逃した人に本物の"FOMO"を味わわせる格好に。9月17日にYouTubeの公式チャンネルへ再アップされ、ようやく誰でも見られるようになりました。作中でDrakeがアニメ『The Amazing Digital Circus』のキャラのスウェットを着ていた場面が切り取られ、思わぬファン層を巻き込んでミーム化する一幕も。感想は賛否に割れましたが、8月中旬から焦らしてきた仕掛けが映像作品として着地した、今週いちばん語られたニュースです。

出典: ComplexThe Source

Rakim・Kurupt・Masta Killaの『The Godbody LP』到着 EminemとJay-Zが約25年ぶりに同席

Rakim

写真: Flowizm / Wikimedia Commons(CC BY 2.0)

ヒップホップの礎を築いた一人、Rakimが、KuruptとMasta Killaと組んだ合作『The Godbody LP』を9月18日に配信しました。全15曲で、プロデュースはRakim自身とNick Wizが担当。客演にはSnoop Dogg、Raekwon、Ghostface Killah、KRS-One、Kool G Rap、Daz Dillinger、Buckshotら、90年代を彩った顔ぶれが並びます。世代の伝道師たちが一堂に会した、地に足のついた"本格派"の一枚です。

最大の話題は、EminemとJay-Zが同じ曲に登場したこと。二人が同じトラックに名を連ねるのは約25年ぶりで、しかも普通にラップを競い合うのではなく、Rakimの功績をたたえるインタールード(曲間の短いつなぎ)での共演でした。Jay-ZはRakimの名句「constant elevation causes expansion(絶え間ない上昇が広がりを生む)」を引用し、EminemはRakimがラップの韻の踏み方そのものを塗り替えた、と語ります。派手なバトルではなく、レジェンドへの敬意で二人が並んだ点に、この作品の狙いが表れています。

出典: Wikipedia(The Godbody LP)VIBE

AZ Chike『NO REST FOR THE WICKED』 LAの期待を背負う新作にTyler・Pharrellら

AZ Chike

写真: JD Sports / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

ロサンゼルスのラッパーAZ Chike(アズ・チーケ)が、新作『NO REST FOR THE WICKED』を9月18日にWarner Recordsから配信しました。全14曲。客演にはTyler, the Creator、Pharrell Williams、Hit-Boyといった大物が名を連ね、いま勢いのあるLAのストリート・ラップを代表する存在として、地元シーンの期待を背負う一枚と受け止められています。

公開前には、Kendrick Lamarとの共演がスタジオ写真とともに予告されて盛り上がりました。ただ、いざ発表されたトラックリストにKendrickの名前が見当たらず、「結局参加したのか」とファンの間で憶測を呼んでいます。真偽は今後の情報待ちですが、Kendrick周辺の盛り上がりも含めて、今週のLA発の話題を一手に集めた作品でした。

出典: The SourceHotNewHipHop

プロデューサーTay Keithの死因が判明 事故性の薬物中毒と検死報告

Tay Keith

写真: MILLION DOLLAZ WORTH OF GAME / Wikimedia Commons(CC BY 3.0)

今年6月にテネシー州ナッシュビルで29歳で亡くなったグラミー候補プロデューサー、Tay Keith(テイ・キース)について、死因が事故性の薬物中毒だったと検死報告で明らかになりました。ABC Newsなどが入手した報告書によると、複数の薬物(クラトム由来成分やケタミンなど)の毒性が重なったことによるものとされています。BlocBoy JBの「Look Alive」やDrake、Travis Scottらの大ヒットを支えた、2010年代後半以降のトラップ・サウンドを代表する作り手の一人でした。

ヒップホップの現場では近年、若い才能を薬物で失う出来事が繰り返されてきました。制作の裏方であるプロデューサーにも同じ影が差していたことに、あらためて重い受け止めが広がっています。ご冥福をお祈りします。

この話題は薬物や急死に触れています。もし心身の不調やつらさを感じている方がいれば、一人で抱え込まず、身近な人や専門の相談窓口に頼ってください。

出典: ABC NewsWikipedia(Tay Keith)

Cash Money × No Limit 史上初の合同アリーナツアーが各地を巡回中

Master P

写真: Mikamote / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)。No Limitの総帥Master P。

ニューオーリンズが生んだ二大レーベル、Cash Money RecordsとNo Limit Recordsが、史上初の合同アリーナツアーで全米を回っています。全17都市規模で、9月11日にヒューストンで開幕。今週も各地の会場を巡っており、ニューオーリンズ・ヒップホップの歴史を一晩で振り返るような座組みが話題です。

ラインナップは、Cash Money勢がBirdman、Juvenile、Mannie Fresh、B.G.、No Limit勢がMaster P、Silkk the Shocker、Mia X、Fiend、Mr. Serv-Onら。さらにスペシャルゲストとしてBoosieも参加します。BirdmanとSlim(Cash Moneyの兄弟)は、長年のライバルだった両陣営がこうして同じ舞台に立つこと自体が「地元への恩返し」だと語っています。ストリーミング時代に、サザン・ヒップホップの原点を生で体感できる貴重な巡業です。

出典: VarietyThe Music Universe

Macklemore、Ed Sheeranのツアーから外れる Robert Kraftの関与めぐり賛否

Macklemore

写真: Selbymay / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

「Thrift Shop」で知られるラッパーのMacklemoreが、Ed SheeranのツアーでのGillette Stadium公演から外れたことが報じられました。きっかけは、Macklemoreがパレスチナ支持(「Free Palestine」)の姿勢を示していたこと。会場を所有するNew England PatriotsのオーナーRobert Kraft氏が出演に反対し、降板につながったと複数のメディアが伝えています。Kraft氏側はMacklemoreの言動を反ユダヤ的だと問題視した一方、Macklemoreを擁護する声も強く、賛否が大きく割れました。

報道によればKraft氏はその後、パレスチナ支援に200万ドルを寄付する意向も示したとされます。この件は音楽の枠を超え、米国内で政治・宗教が絡む論争として広く取り上げられました。当サイトはいずれの立場も支持しませんが、今週ヒップホップのアーティストが関わる話題として最も報じられた出来事の一つのため、事実関係のみをお伝えします。

出典: WBURJewish Telegraphic Agency

DJ AkademiksとMeek Millが応酬 私的なやり取りの暴露合戦に

Meek Mill

写真: AlfredGoodach / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

メディアパーソナリティのDJ Akademiksと、ラッパーのMeek Millの間で、SNS上のいさかいが激しくなっています。Akademiksが二人の私的なメッセージのやり取りを公開し、Meekに「うちに来い」と挑発的に呼びかけるなど、応酬がエスカレートしました。もともと近い関係にあった二人だけに、内輪のやり取りが表に出る展開に注目が集まっています。

音楽の新作にまつわる話ではありませんが、影響力のある発信者どうしの衝突として、今週のSNSを賑わせました。ヒップホップ・メディアの当事者化が進む今の空気を映した一件でもあります。

出典: HotNewHipHopAllHipHop

Coi LerayとBenzino、対立は表に出さず「私的に関係を立て直す」

Coi Leray

写真: Gabriel Brooks / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

ラッパーのCoi Lerayが、父で元ラッパー/メディア人のBenzinoとの関係について、意見の相違はSNSに持ち込まず、私的に修復を進めていると明かしました。過去には公の場で衝突が伝えられてきた親子だけに、これを表沙汰にしない姿勢を示したことが受け止められています。

家族の話題ではありますが、Coi Lerayが自分のペースでキャリアと私生活の折り合いをつけようとしていることがうかがえます。派手なニュースではないものの、当人の落ち着いた対応として好意的に取り上げられました。

出典: AllHipHopHotNewHipHop

『GTA VI』、ゲームと同日に特別アルバムをリリースへ

Rockstar Gamesが、待望の『Grand Theft Auto VI』の発売にあわせて、ゲームと同日に特別なアルバムを出すことが報じられました。ゲームとヒップホップは、収録曲やアーティストのカメオを通じて長く深く結びついてきた関係で、シリーズ最新作でも音楽面の作り込みが大きな注目を集めています。どのアーティストが名を連ねるのか、続報が待たれます。

『GTA』は過去作でもサウンドトラックやラジオ局の選曲がカルチャーの一部として語られてきました。ゲーム発売とアルバムを同時に仕掛ける今回の動きは、両者の距離の近さをあらためて示すものと言えます。

出典: HotNewHipHop

来週以降の予定:10月頭の新譜ラッシュと、続く裁判の節目

リリース面では10月2日が山になります。前号でお伝えしたVictoria Monétの新作『Frequency of Love』と、Quavoの新作『QRÖMELIFE』(Pharrellがプロデュースを統括)がともにこの日に予定されています。金曜ごとの新譜ラッシュはしばらく続きそうです。

裁判関係では、今週全訴因無罪となったLil Durkに、恐喝(RICO)に関する別の連邦裁判が10月5日に控えています。2Pac殺害裁判で第一級殺人の有罪評決が出たKeffe D(Duane Davis)の量刑言い渡しは10月13日。Sean "Diddy" Combsも控訴審が進行中で、いずれも次の節目が近づいています。動きがあり次第、次号でまとめてお伝えします。

出典: BillboardHotNewHipHop

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