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Tracklibレビュー・使い方|実在曲を合法サンプリングできる料金とライセンス【2026年】

2026年8月4日最終更新 2026年8月5日
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本記事は一般的な情報であり法的助言ではありません。個別の案件は専門家にご相談ください。
実在のリリース楽曲 レーベルと契約済みの音源 サンプリング 自分のビート 配信もビート販売もできる ライセンス処理までサービス内で完結

好きなレコードから切り出したサンプルでビートを作りたい。でも、それを売ったり配信したりするのは怖い。サンプリングが好きな人なら、一度はこの壁にぶつかったことがあると思います。

厄介なのは、この壁が音作りの話ではなく権利の話だということです。サンプルクリアランス入門で書いたとおり、既存の録音を使うには原盤権と著作権の両方について許諾がいります。個人が権利者を探して交渉するのは、率直に言ってほぼ不可能に近い。

その交渉の部分をまるごとサービスにしてしまったのが、スウェーデン発のTracklib(トラックリブ)です。レーベルや出版社と契約済みの実在するリリース楽曲をダウンロードでき、リリースに必要なサンプルクリアランスまでサイト内で終わらせられます。ここまで一括で面倒を見てくれるサービスは、現在かなり珍しい存在です。

この記事では、2026年7月時点でTracklibのサイトとヘルプセンターを調べ、料金プラン、クリアランスの仕組み、そして「BeatStarsのtype beat販売に使えるのか」までまとめました。ロイヤリティフリー素材との違いや権利処理の基本は、姉妹記事サンプルクリアランス入門もあわせてどうぞ。

Tracklibとは?——「サンプリングのためのレコード店」

Tracklibは、サンプリングのためだけに作られた音楽サブスクです。サイト上では自らを「The Home of Sampling」と名乗っていて、中身は大きく3つに分かれます。

Songs 実在のリリース楽曲 Sounds ループ・ワンショット 100,000曲以上クリアランスが必要リリース後は収益を分配 500,000点以上クリアランス不要分配なし・使い放題 !
SongsとSoundsは同じサイトの中にあるが、扱いはまったく別。手続きが必要なのはSongs側だけ。

利用者としてJ. ColeやKendrick Lamar、DJ Khaledといった名前が紹介されていて、コンセプトは「クレートディギング(レコード掘り)を合法的にやる」。90年代的なサンプリングの作り方をそのまま持ち込める場所としては、今いちばん現実的な選択肢です。

編集部の見方:SongsとSoundsが1つのサブスクに同居しているのが、地味に効きます。「今日はレコードをガッツリ掘る」「今日はループで一本さっと作る」を同じ契約で回せる。逆にここを分かっていないと、Soundsにまでクリアランスが必要だと勘違いして、無駄に身構えることになります。

サービス紹介動画があるので、全体像はこれを見るのが早いです。

仕組み:クレジット制ダウンロード+リリース時クリアランス

1 プランに加入する毎月クレジットが付与される 2 曲を掘ってダウンロードクレジットを消費。再DLは無料 3 サンプリングしてビートを作るここは普段どおり。手続きなし 4 公開する前にライセンス登録Songsを使ったときだけ必要 5 リリース後、収益を分配する最低でも半年に一度は報告 1〜3はSounds素材も同じ。4・5はSongsを使った場合だけ
加入からリリースまでの流れ。手続きが出てくるのは、曲を「公開する直前」から。

① クレジットでダウンロードする

加入すると毎月クレジットが配られ、これを使ってカタログから音源を落とします。ヘルプセンターによると、未使用のクレジットは有料プランを続けている間は翌月に繰り越せます。同じトラック(やその一部)を落とし直すのにクレジットは減りません。ただし解約するとクレジットは使えなくなる(入り直せば復活します)ので、辞めるときは使い切ってからにしましょう。

② リリース前に「クリアランス(ライセンス登録)」をする

Songsの楽曲を使った曲を公開・リリース・収益化するときは、先にサンプルライセンスを取っておきます。サイト上の案内では、「Your Licenses」から5ステップほど登録するだけで、数分で終わるとのこと。Soundsの素材はロイヤリティフリーなので、この手続きはいりません。

③ リリース後は「レベニューシェア」で分配する

Tracklibを使ううえで一番覚えておきたいのが、この収益分配の仕組みです。Songsをサンプリングした曲は、その曲が生む収益(原盤収益と出版収益の両方)の一部を、元の曲の権利者と分け合います。割合は「サンプルした曲のカテゴリ」と「使ったサンプルの長さ」で決まるレートカード方式で、収益は最低でも6か月ごとに報告する必要があります。提携ディストリビューター経由なら、ストリーミング収益の報告と支払いは自動化できるとも案内されています。

サンプリングした曲が生んだ収益 原盤収益+出版収益の両方が対象 あなたの取り分 残りはすべて自分のもの 元の曲の権利者 曲のカテゴリ+使った長さで決まる
「素材を買って終わり」ではなく、曲が稼いだぶんを分け合う設計。Tracklib自身がこれを royalty-free ではなく royalty-fair と呼んでいる。

つまりTracklibは、買い切って自由に使えるサービスではありません。権利者にきちんと分配することを前提に、実在曲のサンプリングを合法化する仕組みです。

料金プラン(2026年7月時点)

先に結論を言うと、多くのビートメイカーはPremiumで十分です。クリアランス費用が月額に含まれるので、実際にリリースまで持っていくつもりなら、いちばん計算が立つプランになります。

プランは3段階。かつては曲のカテゴリごとにクリアランス費用を都度払うモデルでしたが、今はPremiumとMaxに「無制限サンプルクリアランス」が付き、クリアランスごとの費用はかからない形に変わっています。

プラン月額(USD)主な内容
Lite$8.99Songsカタログへのアクセス。SoundsとクリアランスはPremium以上の特典のため、リリース時はカテゴリ別のライセンス料が別途必要(Tracklibのブログでは多くの曲がカテゴリCで$50)
Premium$13.99毎月375クレジット、Sounds(ロイヤリティフリー素材)、無制限サンプルクリアランス、デスクトップ/モバイルアプリ
Max$19.99クレジット増量(執筆時点の表記で650クレジット)、Sounds、無制限サンプルクリアランス

※2026年7月時点で編集部がTracklibのサイト・ヘルプセンター等から確認した情報です。表示価格は請求条件(月払い・年払い)や地域の税により変わる場合があります。無料トライアルも用意されていますが、日数・付与クレジットは時期により変動するため、申込前に必ず最新の表示をご確認ください。

ひとつ勘違いしやすいのが、「無制限クリアランス」の範囲です。無料になるのはクリアランス手続きの費用だけで、さきほどのリリース後のレベニューシェアはどのプランでも発生します。

編集部の見方:Liteは安く見えますが、リリースのたびに$50前後のライセンス料が乗ってきます。年に2曲出すだけでPremiumとの差額は埋まる計算なので、「作った曲をちゃんと世に出す」つもりならPremium一択。Maxはクレジットが増えるだけなので、掘る量が明らかに多い人向けです。

Tracklibは商用利用できる?

できます。というより、商用利用のために作られたサービスです。ただし「素材を買ったから、あとは自由」という買い切り型とは考え方が違うので、そこだけ押さえておきましょう。

YouTubeやSNSに上げる、配信に出す、ビートとして売る——Songs側から見ればどれも「公開=リリース」に当たります。人目に触れる前にクリアランスを済ませておく、と覚えておけば大きく外しません。

Tracklib
実在の楽曲10万曲以上をライセンス込みでサンプリング。Premium以上はクリアランス費用も込み。
Tracklib公式サイトを見る
※料金・プラン内容は2026年7月時点の公式サイト掲載情報です。

BeatStarsでのtype beat販売に使える?

ここがいちばん気になる人が多いはずです。結論から言うと、FAQに「Can I sell beats that contain Tracklib samples?」という項目があり、条件付きで可能とはっきり書かれています

公開の場でビートを売る場合(BeatStars・SNS・自サイト等)

購入者(アーティスト)側の手続き

非公開でのやり取り・独占販売の場合

レーベルや特定のアーティストに非公開でビートを送るだけなら、事前のライセンスはいりません(サンプルを含む旨は伝える必要があります)。独占(エクスクルーシブ)販売で自分の手を離れた場合は、収益報告を済ませて販売を止めたうえでサポートに連絡すれば、自分側のライセンスを終了できるとも書かれています。

プロデューサー(あなた)がやること ① 公開する前にライセンス登録(クリアランス)② ビートにISRCを付ける③ 商品説明に「Tracklibのサンプルを含む」と明記 ビートを買ったアーティストがやること ④ 自分のアカウントでライセンスを取得⑤ 曲をリリース⑥ 最低でも半年に一度、収益を報告 登録情報を購入者に引き継げる
売る側と買う側で、やることが分かれる。収益報告の義務はリリースする購入者側に移る。

type beat運用の実務としては、「公開前にクリアランス」「商品説明にサンプル使用を明記」「購入者への引き継ぎ」の3点がセットになります。

編集部の見方:正直、ISRCの取得と購入者への説明が地味に面倒です。数を打って手離れよく売りたいtype beat運用とは、あまり相性がよくありません。逆に「この1本は自分の代表作にする」という作り方なら、実在曲のサンプルを堂々と載せられる価値のほうが勝ちます。細かい条件は変わることがあるので、本格的に売り出す前に最新のFAQを一度読み直しておくと安心です。

メリット・デメリット

メリット

デメリット・注意点

こんな人におすすめ

逆に、type beatを量産して手離れよく売りたいだけなら、手続きの少なさではSpliceLoopmastersのロイヤリティフリー素材に分があります。権利の基礎と使い分けはサンプルクリアランス入門で詳しく書いています。

Tracklib
無料トライアルあり。まずはカタログに好みのジャンルがあるか掘ってみるのがおすすめ。
Tracklibを無料で試す
※トライアル条件・価格は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. Tracklibで作ったビートをBeatStarsなどで販売(type beat販売)できますか?

A. FAQでは、条件付きで可能とされています。公の場でビートを出す前に、そのビート自体のライセンス登録とISRCの取得が必要で、Tracklibのサンプルを含むことを購入者に伝える義務があります。ビート販売の売上そのものを分ける必要はありませんが、購入者はリリース時に自分でライセンスを取ることになります。

Q. サンプルクリアランス費用はいくらかかりますか?

A. Premium・Maxには無制限のサンプルクリアランスが含まれるので、クリアランスごとの追加費用はかかりません。ただしリリース後は、曲のカテゴリとサンプルの長さに応じた比率で収益(原盤・出版の両方)を元の権利者と分けます。

Q. Tracklibは商用利用できますか?

A. できます。Soundsのループ・ワンショットはロイヤリティフリーで、そのまま商用に使えます。Songsの実在楽曲も商用に使えますが、公開する前のライセンス登録と、リリース後の収益分配がセットになります。

Q. Soundsセクションの素材にもクリアランスは必要ですか?

A. 不要です。手続きが必要なのはSongsの実在楽曲をサンプリングしてリリースする場合だけで、Soundsのループやワンショットはロイヤリティフリーとして提供されています。

Q. 解約するとクレジットやダウンロード済み音源はどうなりますか?

A. ヘルプセンターによると、未使用クレジットは有料プランを続けている間は繰り越せますが、解約後は使えなくなります(入り直せば復活)。辞める前に使い切っておくのが無難です。

まとめ

サンプリングを武器にしたいビートメイカーにとって、Tracklibはかなり魅力的な選択肢です。

もちろん、収益分配やライセンス登録など、ロイヤリティフリー素材に比べれば手間は増えます。それでも「好きなレコードを合法的に使って、自分の作品として世に出せる」という価値は大きい。サンプリング文化を大事にしたい人ほど、一度は試す価値があると思います。

要点を3つに絞ると——

ロイヤリティフリー素材を使う、自分で弾く、といった他の選択肢との使い分けはサンプルクリアランス入門で整理しています。自分の作り方に合った、無理のない形を選んでください。

本記事はアフィリエイト広告を含みます。本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。記載内容は2026年7月時点に編集部がTracklibの公式サイト・ヘルプセンター等で確認した情報です。料金・プラン・ライセンス条件は変更される場合があるため、最新の情報は必ず公式サイトをご確認ください。個別の案件については弁護士等の専門家にご相談ください。